家庭菜園記事

ベランダ菜園"保温テクニック"を紹介!

ベランダ菜園保温

皆さんこんにちは。のはら菜園代表のかーくんです。
このブログでは、 会社員から兼業農家を経て、今やサラリーマンが副業?になりつつある私が、当菜園の話や、オススメ野菜、家庭菜園でのテクニックなど幅広く紹介しています 。(本記事はPRを含んでおります。ご了承ください9

さて今回は家庭菜園、特にベランダ菜園など小さなスペースで野菜を育てる際に役に立つテクニックをご紹介していきたいと思います。
今回ご紹介するのは「保温」です。
家庭菜園などではあまり保温してまで野菜を育てることをされないかもしれませんが、これを覚えると栽培可能期間がグッと広がるので、ぜひ知っていただきたいテクニックになります。
この記事を読んでいただくことで以下の事がわかるようになるので最後まで読んでいただけると嬉しいです。

  • 保温の重要性がわかる。
  • 身近な物を使った保温方法がわかる。
  • 簡易トンネルを作れるようになる。

野菜栽培における保温の重要性

最初に野菜栽培における保温の重要性からお話を始めたいと思います。
まず前提として、野菜(植物)はそれぞれの種類によって好みの気温や、限界の温度が異なっています。わかりやすい例でいうと、夏野菜である「トマト」や「ナス」などは気温30度を超える真夏日でも元気に成長しますが、冬に美味しくなる野菜である「ほうれんそう」なんかは、暑すぎると成長が遅くなりますし、発芽しなくなったり、枯れたりすることもあります。
このように、野菜には「適温」が存在しています。
先ほどのトマト、ナス、ほうれんそう、の例では高温側の適温でしたが、もちろん、低温側も同じように適温が存在しています。
つまり、野菜(植物)は暑すぎても、寒すぎても育たないということです。これは感覚的にも、当たり前だろ!と納得してもらえると思います。

次に、「適温」についてもう少し掘り下げたいと思います。野菜には以下のような適温があることが知られています。

  • 発芽適温:種の発芽に適した温度域。一般的に生育適温より高温となる。
  • 生育適温:茎や葉、根の成長に適した温度域。一般的に発芽適温よりも低温側となることが多い。

この他にも限界温度というのもありますが、話がややこしくなるので今回は割愛させていただきます。

一般的に発芽に適した温度は、生育に適した温度よりも高いことが多いです。つまり、夏野菜を例にすると、夏に元気いっぱいで成長してくれる野菜なので生育適温が高温になっているわけですが、種をまく時期は夏よりも気温の低い春ごろになります。
ここであれ?と思いませんか??夏野菜の発芽適温って、夏の気温より高くなってしまうんじゃないか?と
まさに、そうなんです!
例として、タキイ種苗株式会社のトマトである桃太郎の適温を調べてみました。そうすると、発芽適温25~30℃、生育適温15~25℃となっていました。
桃太郎の栽培スケジュールを見ると、4~5月に種まきと書かれています。ちょっと気温だけでは25~30℃にしてあげるのは難しそうですね。
そこで「保温」をしてあげるわけです!
ここで一点補足しておくと、発芽適温以下の温度でも発芽はします。ですが、発芽する確率が低下してしまいます。例えば。発芽適温域であれば10粒の種をまいて9粒が発芽するのに対して、発芽適温以下の温度の場合は10粒中2粒しか発芽しないなんて事もあります。
さらにこのような話をすると、自然の(野生の)植物は保温されてないのに増えますよね?と思われるかもしれませんが、自然の植物は非常に沢山の種を作ってばら撒きます。つまり、そもそも全部の種が発芽して根付いて成長する計算ではないんです。そういった生存戦略をとっているわけです。
ですが、家庭菜園では種の数、植えるスペースが限られていますし、せっかく種を10粒まいたのに2本しか芽が出てくれなかったら悲しいですよね。。。
ということで、人の手によって愛情(保温)をかけてあげて、沢山の種が発芽してくれるようにするわけです!

身近な物でもできる保温方法

今回は家庭菜園やベランダ菜園を想定した、小さなスペースでも可能でかつ簡単にできてしまう保温方法を中心にご紹介していきたいと思います。

まず一つ目の方法は、「ポリ袋保温法」です。
私が考える中で一番お手軽で簡単な保温方法です。ゴミ出しに使っている45Lの透明ポリ袋の中に、プランターを入れて口を軽く閉じる、それだけです。
そんな方法で!?と思われるかもしれませんが、案外効果がありまして、12月の寒い時期でも昼間で太陽が当たるような状態であればポリ袋の中の温度は20℃を超えてきます。真冬でも春ぐらいの環境を作れてしまうんです。
このポリ袋保温法は太陽の熱で温まった空気を逃がさない方法なので、太陽が出ていない曇りや夜には外気と近い温度まで低下して今います。
ですが、風を遮断する効果もあるので、外気よりも1℃程度は温度が高くなっていることが多い気がします。

続いて2つ目の方法は「不織布べた掛け保温法」です。
不織布も保温に効果を発揮してくれます。最近では、洋服を買った際に不織布で包んでくれたり、緩衝材としても使われたりして、生活しているとちょくちょく手に入るけど、ゴミとして捨ててしまわれるのが多いんじゃないでしょうか?そんな使い道のなかった不織布が活躍できる場面が保温です!
こちらも保温方法はとても簡単で、プランターの上から覆うように掛けておくだけです。単に掛けておくだけでは風で飛ばされてしまうので、テープを貼り付けたり、裾をプランターの底面に挟み込むなどして固定してあげてください。
不織布は小さな穴が空いた布を使うので、ポリ袋保温よりも保温能力は低くなってしまいます。ですが、穴が空いていることのメリットもあります。
それは、水蒸気を適度に逃がすことができるという点です。ポリ袋保温法では、水蒸気がほぼ逃げないので、ポリ袋内側に水滴が付着して真っ白な状態になることが多々起こります。そうするとポリ袋の中が水浸しになり、プランターもべちゃべちゃに、高温多湿な環境になるのでプランターの土にカビが発生するなんてことも起こります。
ベランダ菜園の場合、洗濯物を干す場所の一角でカビが繁殖していると想像すると、あまり気持ち良いものではありませんよね。。。
不織布の場合は、適度に湿度が抜けていくので、多湿環境になりにくく、カビ繁殖の可能性を下げることができます。

しっかり保温することを優先するのか、周りの環境も考慮するのか、そもそもそこまでしっかり保温しなくても大丈夫な品種、など、その状況ごとに選んでもらったら良いと思います。

ベランダにも設置できる少し本格的な簡易トンネルの作り方

さてここまでは、身近にある物を使った保温方法を紹介しましたが、ここからは専用の材料を購入して保温専用の道具を作る方法をご紹介します。
専用の材料と言っても、ホームセンターで簡単に手に入るものばかりです。組み立ても特殊な道具は必要ありません。私は一部専用の固定器具を使っていますが、タコ糸、セロハンテープ、洗濯ばさみなんかでも十分に代用可能です。
それでは材料をご紹介します。

  • トンネル支柱 3本(ホームセンターで5本420円ぐらい)
  • イボ竹 8mm×750mm 3本 (ホームセンターで10本450円くらい)
  • トンネルパッカー 8mm用 8個(ホームセンターで10個280円ぐらい)洗濯ばさみでも代用可能。
  • 菜園クロスバンド8mm~11mm用 9個(ホームセンターで10個270円ぐらい) タコ糸やモールでも代用可能
  • 透明ビニール 150cm×150cm程度 (ホームセンターで150cm×5m 1180円ぐらい。)45L透明ポリ袋などで代用可能

すべてホームセンターで購入することができると思います。上記で購入すると2500円程度になりますが、適宜代替してもらうと1000円前後でも作ることができると思います。

まずはトンネル支柱(アーチ)3本とイボ竹(まっすぐの棒)3本を使ってトンネルの骨組みを作っていきます。
アーチ状のトンネル支柱の最頂部と足元(地面から5cm程度の場所)を菜園クロスバンドやタコ糸、モールなどで固定していきます。
1つのアーチにつき3点固定するので、トンネル全体では9点止めることになります。
アーチの内側にイボ竹を持ってくる方が、この後、ビニールをかける際に表面がデコボコせずキレイに設置できると思います。

トンネル支柱組み立て1
頂部
トンネル支柱組み立て2
菜園クロスバンドの装着方法
トンネル支柱組み立て3
トンネル骨組み全体像

トンネル支柱とイボ竹の固定が終われば、続いてビニールフィルムやポリ袋などで骨組みを覆っていきます。菜園ビニールを裁断して使用する場合は大きめに裁断しておきます。余った部分は折りたたんでおけるので、ぴったりにする必要はありません。攻めすぎて小さくなって隙間ができる方がロスになります。

トンネル組み立て4
菜園ビニールを大き目に裁断しておく

続いて、トンネルパッカーを使って、ビニールをトンネル骨組みに固定していきます。今回はトンネルづくり専用のパッカーを使用していますが、洗濯ばさみを使っても出来ますし、内側からセロハンテープで貼り付けてもらっても問題ありません。
固定場所は、トンネル支柱の各足元部分6点と頂部のイボ竹(まっすぐの棒)2点ほどで十分です。

トンネル組み立て5
トンネルパッカー
トンネル組み立て6
パッカー固定場所例

続いて、トンネルの側面部を閉じる必要があります。トンネルの側面をテープ等でピタッと閉じた方が、保温性能的にも見た目的にもいいのですが、私の場合はあえて、余った部分をまとめてから洗濯ばさみで挟んで固定しています。

トンネル側面

この理由として、1点目は、側面が開くことでトンネル内の物を出し入れしやすい事、2点目は拡張性です。
1点目は便利さですが、2点目の拡張性は、もしあと一つプランターを増やしたい!となった時の為に余裕を持たせておくわけです。
例えば、トンネル支柱をもう1本足して、イボ竹の長さを長いものにしたり、継ぎ足してやれば、簡単にトンネルを増築することができます。
趣味のベランダ菜園ですから、同じものを使って色々とやりくりできた方が便利ですよね!
そう考えて私はあえて少し不細工ですが、洗濯ばさみで固定しています。

トンネル組み立て7
簡易トンネル完成!!

この簡易トンネルですが、非常に軽いので強風を受けると簡単に飛んでしまいます。風の強いベランダで使用される場合は、ビニールの裾に重しを載せるか、ビニールの裾をプランターで踏んでおくなど、風対策をおねがいします。

また、ホームセンターに行く時間もなかなかないし、作るのも手間だしという方にはネットで買える虫よけカバーを応用するのもおすすめです。
虫よけカバーだけでも多少の保温性はありますが、そこ上からポリ袋やビニールを被せることで、トンネルと同じ効果を発揮してくれます。
参考の虫よけカバーの商品リンクも貼り付けておきますので気になった方は一度覗いてみてください。

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まとめ

今回は、オススメの簡単な保温方法について紹介してきました。
寒い冬シーズンにベランダ菜園や家庭菜園をしようと思うと保温は必須になるテクニックです。専門的な技術が必要になりそうなイメージかもしれませんが、実は身近にある物だけで十分に保温ができちゃいますので、気軽に保温してみてください。
保温テクニックを知っていると、冬場にも種を蒔くことができますし、周りの人よりも一足先に夏野菜を作れちゃう!なんてこともあります。
ぜひ保温テクニックをマスターしてベランダ菜園・家庭菜園を冬も楽しんでくださいね~

では、最後まで読んでいただきありがとうございました。
のはら菜園代表 かーくん

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