みなさんこんにちは。
のはら菜園のかーくんです。
最近北海道大学のキャンパス内で、ジャイアント・ホグウィード(和名:バイカルハナウド)らしき植物が見つかって以降、40株ほど同様に疑われる個体が見つかって、ニュースに取り上げられるほど話題になっていますよね。
この植物は毒性があるから危険です!と報道されていますが、実際どんな症状なの?とかについては、少しネットで調べていただくと、なかなかショッキングな画像が見つかると思います。
もう一歩進んだ報道では、光毒性と言って、太陽光や紫外線に当たると発症するから気を付けてという内容も見られますが、このジャイアント・ホグウィードの毒はなかなかに厄介なので、少し詳しくお話ししてみたいと思います。
ちなみに私は、大学の学部、大学院での専攻が有機合成で、光を吸収することで効果が発現するような物質の合成を中心に行っていましたので、少しはお話出来ると思います。
ですが、毒性学が専門ではないのでご承知おきください。
では、ジャイアント・ホグウィードの毒性がなぜ怖いかというと、樹液中に含まれている”フラノクマリン類”という物質が何種類も含まれていて、この化合物は人の皮膚に付着すると、浸透していってしまいます。
そして、細胞内の遺伝情報が収納されている核にまで入り込んで、そして光に当たると、DNAと反応を起こして、遺伝子情報を破壊してしまいます。
その結果として、細胞がダメージを受けて、巨大な水疱が発生し、皮膚のただれが発生します。
また長い場合だと数年単位で後遺症が残ると言われています。

化学を勉強されてきた人の中で、有機合成を専門にされていた方であれば、低分子だし、ラクトンだし、共役系長いし、フランってちょっとね~とか思う人はほとんどいないと思いますが(笑)
一つ一つの構成要素が、ちょっと人体に影響を与えそうな雰囲気のする構成となっています。
実はこのようなフラノクマリン類は自然界に沢山存在していて、かんきつ類にも含まれていたりします。
たまに、薬を処方される際に、グレープフルーツジュースと一緒に服用しないでください!と注意を受けることはありませんか?
グレープフルーツには、フラノクマリン類の化合物が含まれていて、薬の効果を強くしてしまい、必要以上に効果が出てしまって、逆に体調を悪くしてしまうようなことが起こってしまいます。
フラノクマリン類自体は色々なものに含まれているので、そこまで怖がる必要はないですし、お薬を服用する際は時間を空けるなど、適切な対応をすれば全く問題無いのでご安心ください。
ですが、ジャイアント・ホグウィードに含まれている毒はかなり強力な毒性を持っている事が知られているので、もし、2mを超えるような植物で、白い花を冠のように咲かせている物を見つけたら不用意に触れることは避けた方がいいのかもしれません。
最近はスマホの画像検索が出来たりするので、そういったもので調べるのもひとつの手なのかもしれません。
私も毒物については専門では無いですが、植物を育てる農家であり、現役の有機系化学実験を行う者として、非常に興味がある話題でしたので、記事を書きました。
みなさんご安全に!
最後までありがとうございました。
のはら菜園 かーくん