みなさんこんにちは、のはら菜園のかーくんです。のはら菜園日記では、平日は会社員をしながら、週末に無農薬&少量多品種栽培に挑戦している、のはら菜園の情報や、オススメ野菜、オススメの食べ方など農業を中心とした話題を紹介しています。 (本記事はPRを含みます)
さて今回はコンパニオンプランツ第二弾【初級:アブラナ科編】をご紹介していきたいと思います。
第一弾を未読の方はこちらからどうぞ⇒(コンパニオンプランツ解説【入門編】)
コンパニオンプランツ【入門編】では、コンパニオンプランツとは?や、コンパニオンプランツの代表例「トマト✖バジル」の組み合わせで期待される効果をご紹介しました。
初級編では少し範囲を広げて、家庭菜園でも多く栽培されている、アブラナ科のお野菜に着目して、適用できるコンパニオンプランツの組み合わせをご紹介していきたいと思います。
それではよろしくお願いします。
キャベツ✖サニーレタス
最初にご紹介する組み合わせは、キャベツ(アブラナ科)とサニーレタス(キク科)の組み合わせです。
キャベツ✖サニーレタスの組み合わせは、色々な角度から混植効果が期待できるので細かく切り分けて解説したいと思います。
①サニーレタスの赤色でモンシロチョウ撃退!
まず、この組み合わせでは、キャベツにアオムシ(モンシロチョウの幼虫)が付くのを低減させる効果(害虫忌避効果)が期待できます。
モンシロチョウは赤色を避ける習性があると言われています。そこで、成長すると葉が赤く色づくサニーレタスを混植(一緒に植える)することで、モンシロチョウが近寄ってくるのを抑制する効果が期待できます。
この組み合わせの注意点としては、サニーレタスがある程度大きくならないと十分に色付かないので、同じタイミング小さな苗を植えてしまうと、サニーレタスの色の効果が小さくなってしまうので注意が必要です。
お気づきの方もいらっしゃると思いますが、この組み合わせはモンシロチョウの赤色を避ける習性を利用したものなので、サニーレタスに限らず別のものでも代用可能です。
例えば、サルビアのような赤い花を植える事でもモンシロチョウを遠ざける効果があると言われています。
②異科野菜の混植でお互いの害虫を撃退!
続いても害虫の撃退効果ですが、上で書いた効果と何が違うの?と思われるのではないでしょうか。
違いは、先ほどは色による効果で、サルビアのようなお花でも構わなかったわけですが、こちらは元々お野菜が出している香りや、分泌物質による効果になります。
もう少し分かりやすくお話すると、モンシロチョウはお野菜なら何でも卵を産み付けに寄ってくるのかというと実はそうではないんです。同じ畑の中に、緑色のキャベツと緑色のレタスが植わっていたとしたら、確実にキャベツを狙って産卵してきます。
単に色だけで判断しているわけではないことが分かっていただけると思います。
蝶のような虫たちは、植物の出している、人間ではわからない程のにおい成分や分泌成分を敏感に感知して、好き嫌いの判断をしているんです。
また虫たちの好き嫌いはかなりはっきりと分かれていることが知られています。例えば、同じアブラムシと一括りにされてしまう虫の中でも、はっきりと分かれていて、キャベツに付くアブラムシはレタスには付かず、レタスに付くアブラムシはキャベツには付きません。
このほかにも、モンシロチョウやコナガと呼ばれる虫たちは、レタスの香りを嫌う習性が知られています。
このように、虫たちの好き嫌いを利用した害虫撃退が2番目の効果になります。
今回解説しているキャベツ(アブラナ科)とサニーレタス(キク科)の組み合わせを見ると、異科野菜である事による、お互いのアブラムシ撃退効果を発揮しつつ、キク科の匂いによるモンシロチョウ・コナガの撃退、さらに、サニーレタスの赤色によるモンシロチョウ・コナガの撃退という、3つの撃退効果が得られていることになります。
ここまでご紹介したようなアブラナ科✖キク科を組み合わせることによるコンパニオンプランツとしての効果は、他のお野菜で応用してもほぼ効果が得られると言われています。
例えば、キャベツの代わりのアブラナ科として、ブロッコリー、カリフラワー。サニーレタスの代わりのキク科として、サンチュ、玉レタス、シュンギクなどの組み合わせも効果的です。
白菜✖ナスタチウム
続いてご紹介する組み合わせは、白菜(アブラナ科)✖ナスタチウム(ノウゼンハレン科)になります。
ナスタチウムってなに?という方もおられると思いますが、キンレンカとも呼ばれる黄色やオレンジ色のお花をつける一年草です。花や葉に辛みや酸味を持っていて、近年では食用花(エイディブルフラワー)としても使われています。
こちらの組み合わせでは、ナスタチウムの香りにより白菜に付くアブラムシを撃退してくれます。この効果はキャベツ✖サニーレタスでも解説しましたが、白菜✖ナスタチウムの組み合わせにはもう一つ違った効果が期待できます。
違った効果とは、ナスタチウムがバンカープランツ(おとり作物とも呼ばれます)としての効果が期待できます。バンカープランツとは、害虫の天敵となる益虫を集める植物の事をそのように呼びます。
具体的に白菜✖ナスタチウムの例で説明すると、ナスタチウムには、ハダニやアザミウマといった害虫が付きます、しかし、ハダニやアザミウマを捕食する虫(益虫)も寄ってくるようになり、害虫を食べるようになります。このような益虫たちはナスタチウムに付く害虫だけでなく、白菜に付いた害虫も食べてくれるようになり、結果として白菜の害虫被害を抑えることができるようになります。
このように、栽培したい野菜には影響の少ない害虫を一度引き寄せ、その後益虫をも呼び寄せることで、お野菜を守る方法もコンパニオンプランツの効果の一つに数えられます。
虫をおびき寄せる為に使われるので、おとり作物と呼ばれているのも納得ですね。
今回紹介したナスタチウムは、白菜のほかにも、キャベツ、ブロッコリー、チンゲン菜。小松菜、カブ、などのアブラナ科のお野菜にも応用可能と言われています。
家庭菜園でお試しされる場合は、ナスタチウムの鉢植えをお野菜のそばに置いておくのが、お手軽で管理もしやすいと思います。
まとめ
さて今回は、家庭菜園でも出来るコンパニオンプランツ初級:アブラナ科編として、アブラナ科のお野菜との組み合わせで代表的なものを解説しました。
いづれも、アブラナ科のお野菜に対して幅広く活用できる組み合わせですので、家庭菜園でアブラナ科のお野菜を栽培される際に混植されてみてはいかがでしょうか?
害虫被害を楽をしながら抑えられて、さらには、採れるお野菜の種類が増えたり、お花も楽しめるようになりますので、家庭菜園の満足度も高くなると思います。
今後もコンパニオンプランツの紹介を続けていきますのでよろしくお願いします。
また、コンパニオンプランツについて自分でもさらに詳しく勉強したい!という方には、組み合わせが網羅的に書かれている下の書籍がオススメです。リンクを貼り付けておきますので、興味のある方はリンク先からどうぞ。
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以上、最後まで読んで下さりありがとうございました。
のはら菜園 かーくん