みなさんこんにちは。のはら菜園のかーくんです。
のはら菜園日記では、 会社員をしながら、週末に栽培中無農薬&少量多品種栽培に挑戦している、のはら菜園の情報や、オススメ野菜・食べ方など、農に関連した話題を中心に紹介しています 。 (本記事はPRを含んでいます)
さて今回は野菜の病気である「べと病」について解説していきたいと思います。
家庭菜園をされておられる方でも、どんな症状の病気で何が原因でしょうか?と聞くと、スパッと回答できる方は少数派なのではないでしょうか。
そんな「べと病」ですが、本記事を読んでいただくことで
・べと病の基本的な症状を知ることが出来る。
・べと病の発生原因が分かる。
・べと病の予防、対応方法が分かる。
以上3点を理解できるようになりますから、最後まで読んでもらえると嬉しいです。
それではよろしくお願いします。
べと病の主な症例
べと病の一般的な症状としては、葉に黄白~黄色の病斑が発生します。さらに病気が進行すると病斑が褐色や黒色に変化してゆき、最終的には枯死してしまいます。
また、葉裏にはカビが生え、症状は下の葉から順に上の葉へと順に広がっていきます。
晴れた日には乾燥しパリパリになりますが、雨や湿度が高い条件では葉がベトベトになります。この症状がべと病の由来と言われています。
べと病が発症しやすいと言われているのは以下のような野菜です。
・ウリ科:キュウリ、カボチャ
・アブラナ科:ブロッコリー、キャベツ、ハクサイ、ダイコン、コマツナ
・キク科:レタス、シュンギク
・ネギ属:タマネギ
・ヒユ科:ホウレンソウ
特にホウレンソウは種のパッケージにべと病〇〇抵抗性品種などが書かれていること多く、発生しやすいことがうかがえます。
べと病の原因
べと病は、ツユカビ科に属する糸状菌が原因の感染性の病気です。春や秋に発症しやすく、特に多湿の環境がにおいて発生しやすくなります。
また、べと病と一括りにしてはいますが、細かく見ると野菜ごとに発病原因となる菌の種類が異なっていることが知られています。
それに伴って、発症リスクの高い温度帯も異なっているのが特徴で、例えば、キャベツなどのアブラナ科やネギ類につく菌の場合は10~15℃ぐらい、キュウリなどのウリ科につく菌の場合は20~24℃くらいが最も発症しやすいと言われています。
また面白いことに、同じアブラナ科内でも、キャベツに付く菌は、ブロッコリーには寄生しますが、ハクサイやダイコンには寄生しないことが知られています。
他にも、主にカボチャに付く菌はキュウリにも寄生出来ますが、主にキュウリに寄生する菌はカボチャには寄生しないといったような面白い性質があります。
次にその感染経路は降雨による泥はねが原因となる場合が多いと言われています。土壌中に潜んでいた菌類が泥はねによって野菜の葉に付着し、そこから感染が始まります。
一度感染が始まると、周りの葉へと広がっていく為、密植している場合は一帯に拡散するリスクが高くなります。また、肥料切れなどで、株が弱っている時も発症のリスクが高くなると言われています。
べと病予防対策
予防対策としては次のような方法があります。
①:適切な間隔を開けて植え付ける。
②:マルチングを敷いて泥はねを防止する。
③:肥料のやりすぎ、やらなさすぎに注意。
④:健康な株を育てる。
①適切な間隔を空けて植え付ける
べと病の発生要因として一番大きなものは多湿だと言われています。
適切な間隔を空けて植え付けを行い、株間に風が通るようにし、日光に当ててやることが非常に重要になります。
また、間隔を空けずに密植した場合、万が一べと病などの病気が発症した際に、一気に蔓延し大打撃を受けることになってしまいます。
植え付ける際に適度な間隔を意識してみてください。
②マルチングを敷いて泥はねを防止
べと病の原因はカビの一種であり、土壌中に存在しています。周りにべと病を発症した野菜が無い場合に感染経路となるのは、土壌からになります。
一度はマルチなしで露地野菜を栽培したことがある方は、泥はねによって外葉が汚れてしまった野菜をイメージすることは簡単だと思います。
かなり汚れてしまいますよね。
知らない方もいらっしゃると思うので、簡単に説明すると降雨によって表面の泥が跳ねあがり、野菜に付着することを泥はねと言っています。
カビ菌が含まれている泥が葉に付着するわけですから、感染経路になり得るわけです。
マルチングしてやれば、雨が直接土を叩く事はなくなるので、泥はねが無くなり、感染予防になります。
マルチはビニールマルチ、雑草マルチ、藁マルチなどがありますが、表面の土を舞い上がらせなければいづれでも効果があると思います。
③肥料のやりすぎ・やらなさすぎに注意
肥料をやらないと弱って病気にかかるのはイメージできると思いますが、肥料をやりすぎても病気の発症リスクを高めてしまいます。
肥料を多く投入すると、植物は吸収した沢山の栄養分を処理しようとして、大きく成長しようとします。
大きく成長する分には良いのですが、一気に成長した多くの場合、葉や茎部分を必要以上に大きくしたり、伸ばしたりして、徒長してしまい、かえって軟弱な株となり、病気感染のリスクを高めてしまいます。
(※徒長:伸長成長が優先し細いまま成長する現象。)
肥料の適正量を判断するのは難しいですが、やりすぎに注意です。
④健康な株を育てる
最後にすごく当たり前な事で、これが出来ない場合の対策方法でしょ、、、という声が聞こえてきそうですが、やはりこれに帰着します。
種を蒔いて育苗する際も、徒長し軟弱な苗にならないように管理し、苗を植える際も株間を取って一株一株がしっかりと栄養分を吸収できるだけの場所を用意し、水やり、必要なタイミングで追肥をしてやる。
栽培の基本にして奥義ですね!
丁寧な管理が病気の少ない野菜栽培につながるのだと思います。
べと病発症時の対応策
もし、べと病が発症してしまった場合の対応策は
早期発見!早期排除!!
これに尽きると思います。
もし病気を発見した場合は、発症している葉や茎を摘み取り、畑の外に持ちだして処分します。
発症間もない場合は、まだ胞子を出しておらず、周りへの感染拡大を抑え込むこともできると思います。
一度発症してしまった畝は、表層の土を深く鋤き込むなど、土壌表面の更新をしてやった方がよいとされる方もいらっしゃいます。
どうしてもべと病を抑え込めない場合には農薬を使用するのも一つの手段です。
いくつか調べてみましたが、住友化学園芸さんのダコニールや、家庭菜園の場合はフマキラーさんのカダンVIIが紹介されていました。
リンクを貼り付けておきますので、気になった方は見てみてください。
まとめ
今回はべと病について解説しました。内容をまとめますと
・べと病は、葉に黄斑が発生しやがて枯死する。
・原因はカビの一種である糸状菌。
・多湿環境下で発症リスクが高まる。
・予防対策:①適度な株間を空ける。②マルチングを使用する。③株を強く育てる。
・発症後対応:①早急に発症した葉、茎を取り除く。②ダメなら農薬に頼るのも一つの選択肢。
私も野菜を植え付ける際に適度な間隔を空けた方が良いのは分かっていても、ついつい株間が狭くなってしまったり、施肥量が多くなってしまっていることがあるなと、今回の記事を書きながら考えていました。
適切な栽培管理、言葉では簡単ですが、最終奥義クラスの難易度だと思います。
これからも私自身精進したいと思います。
最後まで読んで下さりありがとうございました。
のはら菜園 かーくん