みなさんこんにちは!のはら菜園のかーくんです。
のはら菜園日記では、 会社員をしながら、週末に栽培中無農薬&少量多品種栽培に挑戦している、弊菜園の情報や、オススメ野菜・食べ方、農に関連した知識などを中心として紹介しています 。 (本記事はPRを含んでいます)
さて今回は、家庭菜園を科学的な視点で深堀してみる「家庭菜園のサイエンス」第4回目になります。
今回は正直深堀しすぎのマニアックな世界に突入してみたいと思います!笑
ですが、分かりやすく説明することを心がけますので最後まで読んでみてください。
このブログ記事を読んでいただくと以下の事が分かるようになります。
- 肥料の微量必須要素とは何なのかが分かる。
- 微量必須要素の役割が分かる。
- 病気と栄養素の関係が少しだけわかる。
まず、結論から申し上げると、微量必須要素(省略して微量要素とも呼ばれる)とは「植物の生命活動に必要不可欠な要素のうち、植物体内に多くは含まれていないもの」となります。
必要量自体は少ないけど、もしも無くなった場合は生命が維持できなくなる。または、病気になってしまう栄養素と考えていただければよいと思います。
なんだか少しだけ微量要素が気になり始めませんか?
それでは、微量要素について詳しく解説していきたいと思います。よろしくお願いします。
微量必須要素(元素)ってなに?
まず、冒頭で微量要素について、必要量は少ないけど、もしも無くなった場合は生命が維持できなくなる栄養素と紹介しましたが、具体的にどんな栄養素があるのかを見ていきましょう。
微量要素を下の図にまとめました。
微量必須要素を次のように大きく3つに分類することが出来ます。
①葉緑素の生成と働きに不可欠な物。⇒鉄、マンガン、亜鉛、銅、塩素
②生体内の酵素の構成成分として不可欠な物。⇒モリブデン、ニッケル
③細胞組織の形成と維持に働く物。⇒ホウ素
微量要素の役割を確認すると、光合成や葉の成長、根の成長など植物の生命活動に関わっている元素であることが分かっていただけると思います。
窒素、リン酸、カリのように多量要素ほどは必要ないが、無いと植物の活動を著しく阻害してしまう。
それが微量必須要素になります。
"必須"要素と呼ばれる条件
さて、ここまで”必須”要素として紹介していますが、必須じゃない要素もあるの?なにをもって必須なの?というような疑問が出てきますよね。順番にご説明していきたいと思います。
まず、”必須”と呼ばれるには次の3項目に該当するかどうかで判断されます。
- 必要性:その要素が欠乏すると生育に支障をきたすかどうか。
- 非代替性:その要素を補給すると特有のの欠乏症が回復する。
- 直接性:その要素が植物の栄養状態に直接影響する。
簡単にまとめると、その要素が無くなると、成長が遅くなり、病気になったりしてしまう栄養素という事です。
これは、必須という言葉のニュアンスからもなんとなく伝わってきますよね。
特定の植物には必須となる要素「有用要素」
続いて、必ずしも”必須”になるわけではないが、特定の植物においてはほぼ必須に近い栄養素というものも存在しています。
これらは”有用要素”と呼ばれています。
例えば、土壌中に大量に含まれているケイ素(Si)はイネ科作物において含有量が特に多く、茎葉を丈夫にする効果が認められています。
欠乏した場合においては、いもち病に罹りやすくなる報告も出ているようです。
また、コバルト(Co)はマメ科植物において、生育を促進する効果が分かっているなどが挙げられます。
これらの他にも、有用元素として、アルミニウム(Al)やナトリウム(Na)なども報告がされています。
まとめ
さて今回は、微量必須要素(元素)についてお話してきました。内容をまとめると次のようになります。
- 必須微量要素(元素)として認められているのは現在8種類の要素。植物の生命活動に直結する働きをしており、少なくなると病気になる。
- 必須と認められるには、必要性、非代替性、直接性から判断されている。
- 必須成分以外にも”有用成分”と呼ばれる要素もあり、植物の種類によっては必須要素。
今回の記事を読んでいただいて、なぜ微量しか必要としていない成分が欠乏すると、病気につながるのか?という疑問が、少し分かったのではないでしょうか?
微量要素は、必要量はその名前の通り”微量”ですが、その働きは大きく、生命活動に直結していて不可欠な必須要素となっています。
また、微量要素の多くは土壌中に含まれている極ありふれた元素となりますが、土壌の酸性、アルカリ性度合いによっては吸収できなくなったり、過剰に吸収されてしまうものもあり非常に奥深い世界になっています。
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それでは最後まで読んで下さりありがとうございました。
のはら菜園 かーくん