皆さんこんにちは、のはら菜園のかーくんです。のはら菜園日記では、平日は会社員をしながら、週末に栽培中無農薬&少量多品種栽培に挑戦している、のはら菜園の情報や、オススメ野菜、オススメの食べ方など、農に関連した話題を中心に紹介しています 。(本記事はPRを含みます)
さて今回は、コンパニオンプランツ解説、中級:雑草活用編という事で、一般的には必要ない、むしろ邪魔者扱いされている”雑草”にフォーカスしてみたいと思います。
え?雑草を、、、と思われるかもしれません。しかし、私たちは一括りに雑草と呼んでいますが、雑草も何かしらの科に属している植物なんです。そのように考えると、一般的にコンパニオンプランツと呼ばれるような組み合わせになり得るかもしれない!と思えてきませんか?
実際に調べてみると、私たちが日常では雑草と呼んでいる植物たちを上手に野菜栽培に適用した例が報告されています。
今回はそんな雑草たちのあまり知られていない力をご紹介してきたいと思います。
また、これまでのコンパニオンプランツ関連記事はこちらになっていますので、併せて読んでいただけると嬉しいです。 (入門編、初級:アブラナ科編、初級:ナス科、初級:ウリ科、 初級:マメ科)
それではよろしくお願いします。
コンパニオンプランツの基礎知識
まず本題に入る前にコンパニオンプランツとはなにか?を簡単に説明しておきます。
詳しくは入門編で解説していますので併せて読んでみてください。
コンパニオンプランツとは、異なる種類のお野菜(植物)どうしを近くに植える(混植する)ことで、お互いに害虫が付きにくくなったり、成長を助け合ったり、お野菜の味がよくなったり、栽培空間を有効活用して効率的に栽培ができたり、と一緒に栽培することで良いことがあるお野菜の組み合わせの事を一般的に言います。
コンパニオンプランツの効果としては次のようなものがあると言われています。
1:害虫を遠ざける効果。(害虫忌避)
2:成長を助け合う効果。(成長促進)
3:病気にかかるのを防ぐ効果。(病気予防)
4:畑の空間を広く使える。(空間活用)
これからご紹介する雑草たちは、このうちのどれかに該当する効果が期待できるものとなっています。
コンパニオンプランツな雑草たち
シロツメグサ(クローバー)
まず最初は、一般的にはクローバーという名前で親しまれている雑草である、シロツメグサです。
シロツメグサはマメ科に分類される植物になります。マメ科の植物の特徴と言えば、根に共生している根粒菌による窒素の固定化です。
詳しくはマメ科のコンパニオンプランツ紹介で解説していますが、簡単に説明しておきますと、マメ科の根に共生している根粒菌は空気中の窒素を利用して、植物の成長に必要な肥料成分を作り出すことができます。
作られた肥料成分は土壌中に溶け出していくので、マメ科の植物の周りはどんどん肥沃な土壌となっていきます。
もし、野菜の周りにシロツメグサが植わっていたとすると、野菜はシロツメグサの作った栄養を吸収して、どんどん成長してくれるようになります。
また、シロツメグサは背が高く伸びる植物ではなく、地面付近に広がる特徴があるため、土が必要以上に乾燥してしまう事を防いでくれる効果も期待できます。
これらの他にも、ウリ科のうどん粉病防除の効果が期待されるなど、さまざまなコンパニオンプランツとして能力を発揮してくれます。
スズメノテッポウ
続いてはスズメノテッポウです。皆さんどこかで一度ぐらいは聞いたことのあるような名前だけど、実際はどんな雑草なの?という方が多いのではないでしょうか?ちなみに↓のような雑草です。
スズメノテッポウはイネ科の植物です。春になると田畑でよくみられる非常にポピュラーないわゆる雑草ですね。
スズメノテッポウは、メロンやカボチャのようなツルを伸ばすお野菜との組み合わせがよいと言われています。
スズメノテッポウの葉にメロンなどのツルが巻き付いて成長するほか、土の保湿、泥はね防止、他の雑草を抑制するのに役立ちます。
他にもスズメノテッポウには、害虫を捕食する益虫のすみかとなったり、うどん粉病の病原菌に寄生する菌、菌寄生菌のすみか、となることが期待出来るので、病害虫を抑制することができるようになります。
このように、いつも草刈の対象としてか見ていない雑草にも、さまざまな効果が期待できます。
ヨモギ
ヨモギはキク科に分類される植物です。↓のような姿をしています。
ヨモギは地下茎で広がり、群生する特徴を持った植物で、他の雑草が生えるのを抑制する効果が期待できます。
また、独特の香りを持っていることから、害虫忌避効果が期待できます。また、アブラムシやハダニといった害虫の天敵となる虫たちのすみかとなることで、害虫被害の抑制を狙う、バンカープランツとしての効果も期待できます。
ヨモギは雑草ではありますが、昔から草餅やおひたしなど、食用としても楽しまれていますね。
アカザ、シロザ
あまり聞きなれない植物かもしれませんが、アカザ、シロザはアカザ科に分類される植物です。
最近では、鬼滅の刃に出てくる敵キャラクターと同じ名前なので覚えやすいですかね?笑 ちなみにこのような姿をしています。
アカザ科に分類されている有名なお野菜としては、ホウレンソウなどがあります。
アカザは深根タイプの植物で群生するため、土の乾燥を抑制する効果が期待できます。
また、深根タイプであることから、土の奥深くまで根を張り巡らすことで、水や空気の通り道を作ってくれるので、水はけが改善したり、野菜の根に酸素が行き渡ることで、成長がよくなる効果も期待できます。
その他には、アカザ科の植物という事で、例えばアブラナ科の小松菜の近くにあると、小松菜に付く害虫を予防する効果が期待できます。
スベリヒユ
スベリヒユはスベリヒユ科の植物で下の写真のような植物です。
スベリヒユは多肉質な葉を地面を這うようにして広がるため、マルチのように地表の保湿に効果を発揮してくれます。
また、根を深くまで伸ばす特徴があることから、土壌中に空気や水分の通り道を作ってくれます。
このようなスベリヒユは、スイカとのコンパニオンプランツとして知られています。
スイカはまっすぐ下に根を伸ばし地中深くから水分をくみ上げる特徴がある植物です。
スベリヒユも直根性の植物で、まっすぐ下への根を伸ばします。この時、スイカだけじゃなく、スベリヒユも根を伸ばすことで、土壌中に空気の通路がたくさんできます。
そうすることで、スイカの根は十分な酸素を得ることができるようになるので、根の活動が活発になります。
その結果、スイカは元気に育ち、葉が多くなり、沢山光合成ができるようになるので、スイカの実もおいしくなります。
また、スベリヒユをコンパニオンプランツとして活用する他の例としては、チンゲンサイやコマツナとの混植も相性が良いと言われています。
連作障害予防効果
ここまで個々の雑草が持っている力をご紹介してきましたが、種類問わずあえて雑草を茂らせることによって得られる効果も報告されています。
その効果とは、見出しにも書いていますが、連作障害を抑制する効果が期待できます。
連作障害ってなに?と思われる方もいらっしゃると思うので簡単に連作障害について説明しておきます。
連作障害とは、同じ場所で、同じお野菜を繰り返し栽培し続けていると、徐々にお野菜の生育が悪くなったり、病気に罹りやすくなったりする現象のことを言います。
その原因としては、同じお野菜が植えられると、吸収される栄養比がいつも同じで、土壌中の栄養分に偏りが出てしまう事、ナス科野菜の場合は、土壌中のセンチュウが増えてしまい、野菜を育てにくい環境になってしまう事、エンドウの場合は根から生育阻害物質を出しており、それらが土壌中に滞留することで、生育が極端に悪くなる事、などが挙げられます。
しかし、一定期間雑草を茂らせてやると、また同じ場所に、同じお野菜を繰り返し植え付けても、連作障害が発生しないことが知られています。
また、あえて雑草を処理せずに、雑草を生やした状態でお野菜を育てる栽培手法である、草生栽培においても連作障害が起こりにくいと言われています。
連作障害が起こらなくなる要因について詳しく紹介している文献が見つからなかったので、ここからは私の推論ではありますが、雑草を生やすと、他種多様な植物が根を張ることで、土壌中の栄養素の偏りが改善されるほか、さまざまな植物が共存することで、病害虫たちが過度に増殖することもなくなり、土壌中に様々な微生物が増えることで、土壌中に蓄積した生育阻害物質なども代謝され、健康な土壌になるのではないかと考えています。
雑草たちが沢山集まることで、それぞれが作用しあって、まだまだ明らかにされていない反応が起こっているのかもしれませんね。
まとめ
さて今回はコンパニオンプランツとしての視点から”雑草”にフォーカスして解説してきました。
皆さん少しは雑草にも興味が湧いたのではないでしょうか?
今回は雑草を生やすことの良い点ばかりを解説してきましたが、もちろんデメリットもあると考えています。
一つは、虫が増えることです。農家にとっては害虫を捕食する益虫であっても、一般の人からすると虫は虫ですので嫌われがちです。住宅街にある畑では実践するのは難しいかもしれません。
また、雑草を生やしていると周りから管理ができていないように見られるので、地域によっては評判が悪くなるかもしれません。
あと、やはり雑草に多少なりとも栄養分を取られますので、雑草を茂らせすぎると、本命のお野菜の成長が悪くなることも考えられます。
このように、雑草をコンパニオンプランツとして利用する事は、メリット、デメリット双方考えらえますが、興味を持たれた方は、管理できる範囲で小さくチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
また、もっと詳しくコンパニオンプランツについて知りたい!という方には下の書籍がオススメです。
コンパニオンプランツに関して幅広くカバーできている非常に参考になる一冊になっていると思います。
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感想(3件)
それでは、最後まで読んでくださりありがとうございました。
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