コンパニオンプランツ

”順番に育てるコンパニオンプランツ”リレー栽培を解説-③

みなさんこんにちは、のはら菜園のかーくんです。当菜園日記では、会社員をしながら、週末に栽培中無農薬&少量多品種栽培に挑戦している、のはら菜園の情報や、オススメ野菜・食べ方など、農に関連した話題を中心に紹介しています 。 (本記事はPRを含んでいます)

さて今回は、リレー栽培の解説記事第3弾になります。過去の第1弾第2弾、についてはリンクで飛べるようにしていますので、まだ読んでおられない方は読んでもらえると嬉しいです。

今回の記事を読んでいただくと次のことがわかるようになります。

  • トマト後作にチンゲンサイを育てるリレー栽培の良いところ!
  • きゅうり後作にニンニクを育てるリレー栽培の良いところ!

それではリレー栽培について解説していきたいと思います。

リレー栽培とは?

まずリレー栽培とは、A野菜を栽培して収穫した後に、続けてB野菜を植えるといったように、同じ場所を使ってリレー形式で野菜を栽培する栽培方法を言います。

面積の小さな家庭菜園では、同じ畝を使って季節ごとに様々なお野菜を続けて栽培されていると思いますので、自然とリレー栽培を実践されているとも言えますね。

そんなある意味普通な事ですが、特定のお野菜の組み合わせでリレー栽培をすると、野菜の成長を促進できたり、病気の予防効果が期待でいたりと、メリットがあります。

今回も例を紹介していこうと思います。

トマト⇒チンゲンサイのリレー栽培

まずご紹介するのは、トマトを栽培した後にチンゲンサイを栽培するリレーです。

この組み合わせの特徴としては、リレー栽培の多くが後作野菜の成長を助けたり、病気予防を目的としたものですが、この組み合わせでは害虫忌避の効果が期待できます。

具体的には、チンゲンサイのネキリムシ(主にガの幼虫)被害を軽減することが期待できます。

そのメカニズムを解説すると、夜蛾の幼虫(ネキリムシ)は植物の葉で孵化した後に土中に移動し、昼間は野菜の根を食べ、夜は地上の葉を食べるという生態を持っています。

特にチンゲンサイなどのアブラナ科の植物は被害を受けることが多い野菜です。

しかし、蛾の成虫はトマトの葉にはなぜか産卵しません。つまり、前作にトマトを育てておくと、土中のネキリムシの量を格段に減らすことが可能になります。

また、トマトは強いアレロパシー(他の植物を排除する力)を持っている植物としても知られているので、トマトの周りには雑草が生えにくく、ガが産卵できる場所を減らすことができます。

このように、そもそもトマトには蛾が産卵しない特徴と、トマトの周りには雑草が生えにくくなる特徴を利用して、ネキリムシの発生を抑え込むというメカニズムになります。

このリレー栽培はチンゲンサイの他にも、コマツナ、ミズナ、シュンギク、カブ、ホウレンソウなど、アブラナ科野菜に幅広く応用可能です。

きゅうり⇒ニンニクのリレー栽培

続いて紹介するのは、きゅうりを栽培したあとにニンニクを栽培するリレーです。

この組み合わせでは、後作のニンニクの成長促進が期待される他に、土壌中の病原菌増殖を抑制し病気予防効果についても期待されます。

きゅうりは根を浅く広く張る特徴があるだけでなく、マルチ代わりとして敷き藁がされることも多いため、収穫後に株を処分し、耕したとしても、土壌中には完熟していない、生に近い状態の有機物が多く残りやすいと言われています。

このような、生の有機物が分解して発生する養分を好んで吸収して成長するのがネギの仲間になります。

夏にきゅうりを栽培した後、秋にニンニクを植えることができるので、非常にキレイなリレーが可能になります。

また、きゅうりは双子葉類に分類される植物で、ニンニクは単子葉類に分類されます。

類の異なる野菜の場合、根に付く微生物の種類が大きく異なることが知られていて、続けて同じ場所で栽培したとしても、土壌中の病原菌が増えずに抑制できると言われています。

そうすることで、ニンニクの病気である、乾腐病、春腐病、黒腐菌核病などの土壌障害と呼ばれるトラブルの発生を抑えることが期待されます。

このリレー栽培の組み合わせは、ニンニクだけではなく、9月ごろに植え付けができるラッキョウ、ワケギなどにも応用が可能となっています。

まとめ

今回は2つのリレー栽培の組み合わせをご紹介しました。

トマト、チンゲンサイ(アブラナ科野菜)のリレー栽培では、トマトの強いアレロパシーを応用して、後作野菜のネキリムシ被害低減が期待できる事をご紹介しました。

また、きゅうり、ニンニク(ネキ属)のリレー栽培では、双子葉類、単子葉類の根に付く微生物種の違いを応用して、土壌中の病原菌増殖を抑制し、病気発生予防が期待できる事をご紹介しました。

ご紹介した2例とも、野菜が自然と発揮している力を、上手に活用してあげる事で非常に効率よく野菜が栽培できる良い例だと思います。

もし、もっと詳しく勉強したいという方がおられれば、「コンパニオンプランツの野菜づくり」(木嶋利男著)がおすすめです。

コンパニオンプランツの組み合わせや、リレー栽培について、幅広く網羅されているだけでなく、図や絵なども豊富で非常に分かりやすく解説してくれています。

もしご興味があればリンクを貼り付けておきますのでどうぞ。

最後まで読んで下さりありがとうございました。

リレー栽培関連オススメ記事⇒【リレー栽培を活用した根こぶ病対策!

のはら菜園 かーくん

-コンパニオンプランツ
-,