家庭菜園記事

「家庭菜園のサイエンス」~肥料ってなに?‐①肥料基礎知識編~

皆さんこんにちは!のはら菜園のかーくんです。
のはら菜園日記では、 会社員をしながら、週末に栽培中無農薬&少量多品種栽培に挑戦している、のはら菜園の情報や、オススメ野菜・食べ方、農に関連した知識などを中心として紹介しています 。

早速ですが、家庭菜園やベランダ菜園をされている方で、この作業って意味があるんだろ?とか、ネットや本で調べたら、こうした方がイイって書かれているから自分も同じようにしている!なんていう作業があったりするんじゃないでしょうか?

でも、出来れば手間を減らしたいし、省略できるなら省略したい、なんて方も多いと思います。今回は、よくわからないけど取り合えず書いてあるようにやっている作業を少し深堀して、化学とか生物なんてわからないよ!という方にも理解してもらえるようにお話したいと思います。

まず第1回目のテーマは「肥料」についてです。

家庭菜園などでお野菜を育てた事のある皆さんにお聞きしています。栽培している(していた)お野菜に肥料を与えてますか?この質問に対しては多くの方が「はい!もちろん!!」と答えてくださると思います。

では、その肥料ってなぜ野菜の成長に効果があるのですかと聞くと、え??となるのではないでしょうか?

皆さん一生懸命お野菜を育てて、肥料を与えておられると思いますが、本当にこの肥料効いてるの?って疑ったことは無いですか?

だって一度肥料を蒔くと土となじんで見えなくなるし、目に見えて成長速度が加速する事を体験するのも難しいじゃないですか!

ですが、今回のシリーズを読んでいただくと、見えなくなってもしっかりと野菜に吸収されて成長を助ける効果が出るんだよ!という事を知識として理解していただけるようになると思います。

野菜を育てた事が無いよという方も、肥料ってそんな事になっていたのか!と面白い発見があると思うので、ぜひ読んでいってください。

また今回の記事は「図解でよくわかる土・肥料のきほん ; 一般財団法人日本土壌協会監修」を参考図書とし、その内容に私の解釈も加えて書いています。

それでは本題に入っていきたいと思います。

肥料の基礎知識

肥料ってなに?

まず、肥料とは?に対して結論からお話すると、肥料の定義は「肥料取締法(第2条1項)」に次ぎのように書かれています。

”植物の栄養に供すること又は植物の栽培に資するため土壌に化学的変化をもたらすことを目的として土地に施される物及び植物の栄養に供することを目的として植物に施される物”

これだけでは、正直、何言ってるかわかりませんよね。。。

言い換えると、植物に栄養を与える為に土に撒く物、と、栄養を与える為に植物に直接散布する物となります。

さらにざっくり言ってしまうと、植物の成長のために与えたらそれは肥料だと言っても過言ではありません。

例えば、その辺の草だってたい肥になりますし、貝殻を加熱処理すると石灰になります。なんだって肥料になるので間違ってはいないですよね!

しかし、なんでもOKだと、怪しい肥料があふれてしまって混乱を招いてしまうので、法律でさまざまな分類がなされて、管理されています。

少し例を挙げてみますが、有機質肥料や化学肥料、普通肥料、特殊肥料、単肥、複合肥料、たい肥、など様々な「○○肥料」という言葉で管理されています。イメージとしては次のようになります。

肥料区分

化成肥料、たい肥など聞いたことのある名前がいくつか載っているんじゃないでしょうか?

細かい各肥料の内容については今後書いていく予定ですが、現時点ではふ~んこんな物があるんだ~ぐらいで見ておいてください。

肥料って何が入っているの?

肥料には何が入っていますか?と聞かれると多くの方が、動物のフン?って答えるのではないでしょうか。

この回答は間違いではありません。大正解です。しかし、さらにもう一歩踏み込みたい回答でもあります。少し詳しく肥料の正体についてお話します。

肥料には、植物の成長に欠かせない栄養素が入っています。

具体的な栄養素としては、窒素成分、リン酸成分、カリウム成分、カルシウム成分、マグネシウム成分、イオウ成分、などになります。

特に最初の3つ(窒素、リン、カリウム)は肥料の3要素と呼ばれていて、最重要な栄養素となっています。

また、例として挙げた6つの栄養素をまとめて、多量要素(植物が育つときに多く必要とする栄養素)と呼ばれていて、肥料における6大重要成分になっています。

冒頭の肥料には何が入っていますか?という質問の答えとしては、栄養素として、窒素、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウム、イオウ等が入っています!という事になります。

つまり、これらの栄養素を供給する物として、動物のフンが使われているという事なんです。

じゃあ、なぜ肥料に動物のフンが多く使われるのか?という事も気になると思います。

それは、動物のフンは比較的安価に入手出来て、窒素成分、リン成分、カリウム成分が程よく混ざっていて、上質な栄養素供給源となるからとなります。

栄養素ってどんな働きをしているの?

次に、肥料に含まれている各栄養素がどのような効果をもたらしているのかを解説していきたいと思います。

各栄養素の効果は次のようになります。

肥料の効果

表を見ていただく、6つの多量要素は植物の成長や生命維持活動に直結する働きをしていることが分かると思います。

また、特に3要素(窒素、リン、カリウム)は植物の成長、繁殖に関係する部分に影響しているわけですから、最重要になってくるわけです。

まとめ

今回の記事をまとめると次のようになります。

  • 肥料って何? ⇒ 植物を育てるために与える栄養分や土の状態を変化させるものすべてです。
  • 肥料には何が入っているの? ⇒ 植物の成長に欠かせない栄養素(窒素、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウム、イオウなど)が入っています。
  • 栄養素はどんな働きをしているの? ⇒ 6つの多量要素については特に植物の生命維持や繁殖に関係する働きをしています。

今回は肥料の基本部分のみを解説してきました。

実は肥料ってまだまだ奥の深いテーマです。この後も継続的に記事を書いていきますので、今後も読んでもらえると嬉しいです。

続きの記事はこちら⇒【「家庭菜園のサイエンス」~肥料ってなに?-②普通肥料編~
家庭菜園のサイエンスシリーズ⇒【プランター栽培-① 入門編

それではありがとうございました。

のはら菜園 かーくん

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