みなさんこんにちは!のはら菜園のかーくんです。
のはら菜園日記では、 平日は会社員をしながら、週末には兼業農家に挑戦している私の菜園情報や、オススメ野菜と食べ方、家庭菜園テクニックなど幅広く紹介しています 。
さて今回は、プランター栽培編の第二弾となります。第一弾を読んでおられない方はぜひそちらも併せて読んでみてください。(入門編リンク)
第二弾ではプランター栽培での肥料の与え方(施肥方法)について紹介してきたいと思います。
このブログを読んでいただくと以下の事がわかるようになります。
- プランター栽培における施肥の特徴がわかる。
- オススメの肥料がわかる。
- 肥料を撒く位置で差が出る理由がわかる。
プランター栽培では狭い環境で育てるため、畑とは違う管理が必要になることがあります。
わかりやすく説明していくので、ぜひ最後まで読んでいってください。ではよろしく願いします。
プランター栽培における施肥の特徴
まず、プランター栽培特有の環境として、用土(土)の量が畑と比べて圧倒的に少ないことが挙げられます。
それに伴って、プランター栽培では用土が乾燥しやすく頻繁に水をあげる必要がことも大きな特徴となっています。
植物の成長に必須となる水ですが、肥料が効果を発揮する上でもとても密接に関係しています。
例えば、植物は水と一緒に肥料成分も吸い上げますので、水をかけると肥料をたくさん吸収することにつながり、”肥やけ”(肥料を与えすぎて根に障害を起こすこと)を起こす原因になったりします。
また別の効果として、余分に与えた水は肥料成分をプランターの外に排出する作用もあります。そうなると”肥切れ”(肥料が少なすぎて栄養不足になること)の原因にもなります。
毎日の潅水(水をあげること)によって肥料効果が上下してしまいます。
このように、プランター栽培における施肥の特徴としては肥料の加減が難しいことが挙げられます。
プランター栽培における施肥方法
これまでご説明してきたように、プランター栽培では肥料効果を安定させることが難しい環境です。
そうした場合、どのような方法を使うのが良いかというと、方針は2通りあります。
1:速効性肥料を少量複数回使用する。
2:緩効性肥料を使用する。
①の速効性肥料とは一般的に化成肥料と呼ばれているものが該当します。これらは水に溶けやすく、元々植物に吸収されやすい形になっていますので、非常に効果が早いのが特徴です。
もし、プランター栽培で大量に速効性肥料を与えた場合、一気に大量の肥料成分が植物に吸収されてしまうため”肥やけ”を起こしてしまいます。そこで、速効性肥料の場合は少量ずつ、複数回に分けて、人の手でゆっくりと肥料効果を長続きさせてあげる工夫が必要になります。
②の緩効性肥料とは、その名前の通り、ゆっくりと長期間効果を発揮してくれる肥料です。例えば、完熟たい肥もそうですし、IB化成肥料というのもあります。
緩効性肥料はそのままでは水に溶けず、分解されて初めて植物が吸収できる形となるため、効果がゆっくりと発現します。
例えば、たい肥は徐々に用土中の微生物の力で分解され、無機化(吸収できる形)されてから吸収されます。
IB肥料はイソブチルアルデヒド縮合尿素と呼ばれる化合物を含む肥料です。尿素は肥料成分の代表ともいえる成分ですが、水に非常に溶けやすく速効性肥料です。それを水に溶けにくくして、分解されて初めて尿素となって肥料となるように改良されたのがIB肥料です。
このようにプランター栽培では、人の力で効果を分散させるか、分解されにくい肥料を選ぶかの2択になります。
私のおすすめは、緩慢性肥料を使用するのをオススメします。
用土を準備する際に、元肥(もとごえ:最初に土と混ぜておく肥料)として完熟たい肥を施しておき、ゆっくりと肥料効果が出るようにしておいて、必要なタイミングでIB肥料や、ホームセンターでゆっくり効く!や緩効性肥料と書かれた肥料を施すのが手間も少なく良いと思います。
施肥位置で効果に差をつける!
さて、肥料Partの最後は、肥料を与える位置についてお話します。
液体肥料を使用する場合は、水分と一緒に用土の中に浸透・分散するのであまり考えなくてもよいのですが、固形の肥料を使用する場合は、与える位置によってその効果が変わってきます。
例えば、肥料を用土中に細かく分散させた場合と、ゴロゴロとした塊で混ぜた場合とでは、細かく分散させた方が、同じ緩効性肥料を使用した場合においても早く効果が表れます。
ここで大事になるのは、肥料と用土がどのぐらい接しているかです。
肥料成分、特に緩効性肥料は、分解されて吸収可能な形に変化して、水に溶けて、植物に吸収されていきます。
この時に、分解を促進してくれるのが、用土(用土中の微生物や水分)になります。
なので、大量に肥料を与えても、用土と接していない状況であれば、与えた分の肥料効果は出ません。
逆に言うと、与え方を工夫してやることで、ゆっくりと肥料を効かせたり、早く効かせたりのコントロールを少しだけですができるようになります。
図でまとめると次のようになります。
プランター栽培で途中で肥料を与える場合は、置き肥が中心となると思いますが、少し表面の用土と混ぜたり、極力用土とは混ぜずに置くだけにすることで、肥料効果に差をつけるのも良いかもしれません。
また、一番左の置き肥にしても、プランター栽培の場合ほぼ毎日水やりをすることになりますので、水の力で崩れ、次第に吸収されていきます。一般的に畑よりも短期間で消費されてしまう傾向があるので、家庭菜園経験者の方も注意してみてください。
まとめ
今回はプランター栽培第二弾として、プランター栽培における施肥方法の注意点を解説してきました。
要点をまとめると次のようになります。
- プランター栽培は毎日水やりするので肥料の加減が難しい!
- プランター栽培では緩効性肥料がおすすめ!
- 肥料を用土と混ぜると早く効く!用土と接していないとゆっくり効く!
最近ホームセンターで販売されている園芸培土の中には、すでにたい肥が混ぜ込まれている物も多くあります。
その栄養分だけで十分に野菜を栽培できる場合もありますが、沢山植えた場合や、野菜の種類によっては沢山の栄養分を必要とする物もあります。そういった場合には、今回の記事を参考に肥料を追加で与えてみてください。
皆さんのプランター栽培、ベランダ菜園、屋上菜園が実り多いものになることを願っています。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
続きの記事はこちら⇒【「家庭菜園のサイエンス」プランター栽培-③ 用土配合編】
のはら菜園 かーくん