みなさんこんにちは!のはら菜園のかーくんです。
のはら菜園日記では、 平日は会社員をしながら、週末には兼業農家に挑戦している私の菜園情報や、オススメ野菜と食べ方、家庭菜園テクニックなど幅広く紹介しています 。
さて今回はプランター栽培解説の第三弾になります。第一弾、第二弾ではプランター栽培の特徴を解説していますので、併せて読んでみてください。(第一弾リンク、第二弾リンク)
プランター栽培解説第三弾では、野菜を育てるための用土について解説していきます。
最近ではホームセンターで手軽に良質な用土を購入することが可能ですが、ちょっとさらにこだわりたい!というプランター栽培中級者向けになると思います。
今回のブログを読んでいただくと次のことがわかるようになります。
- プランター栽培用土に必要な要素がわかる!
- 用土の配合が自分でも何となく出来るようになる気がする。
- 一度使った用土を再利用できるようになる。
プランター栽培の一歩踏み込んだ内容になりますが、わかりやすく解説していきますので、最後まで読んでもらえると嬉しいです。
プランター栽培用土に求められる特徴
まず最初は、プランター栽培用土に求められる要素について説明します。
プランター栽培と畑栽培の一番の違いは、用土の量が限られている点です。なので、プランター栽培では畑以上に酸素が欠乏しやすい環境だといわれています。
用土中の酸素が少なくなると、肥料や水を与えても、十分に根で吸収できなくなってしまいます。
つまり、プランター栽培用土には”通気性”が求められます。
また、プランター栽培は用土が少ない為、毎日水を与えることが多くなります。もし、用土の水はけが非常に悪く、必要以上に保水した状態が続いた場合、根腐れを起こしやすくなります。
根腐れを起こしてしまうと、こちらも十分な栄養を吸収できなくなり枯れてしまいます。
このようなことから、プランター栽培用土には”水はけの良さ”も求められます。
上記の理由から、プランター栽培で使用する用土には”通気性”と”水はけ”がとても重要な要素になります。
用土を自家配合する際のポイント
最近では質の良い様々な用土がホームセンターに並んでいますし、それを使ってプランター栽培してもらえばなんら問題ありません。
ここでは、さらにもう1ステップマニアックにプランター栽培を楽しみたい方向けに、用土の自家配合について解説したいと思います。
まず、ホームセンターの園芸コーナーでよく見かけるのが、「花と野菜の土」や「〇〇培土」などすでに配合済みの培土だと思います。
さらによく培土コーナーを見ていただくと、例えば「バーミキュライト」、「鹿沼土」、「赤玉土」なんて名前で書かれた、一見すると砂利だったり、石だったりするような資材が販売されていると思います。
実はこれらが用土の原料となります。販売されている用土は、これらの単品資材を適切に組み合わせて、配合した物になります。
単品資材だけを使って用土とした場合、水はけが良すぎて保水性が無く、すぐに乾燥してしまったり、また、通気性が得られなかったりと、一つだけでは満足いく用土にはならないため、一般的に数種類の資材を混ぜて用土とされています。
では、どのように配合していくかというと、目指す用土は、通気性が良く水はけの良い用土です。
基本的には、ベース用土(赤土、赤玉土、黒土、鹿沼土など)と呼ばれる資材と、植物用土または改良用土(腐葉土、たい肥、ピートモスなど)と呼ばれる資材を、ベース用土6~7割 / 植物用土 3~4割で配合します。
簡単にそれぞれの用土の役割を解説すると、ベース用土は保水性や保肥性を発揮してくれます。また、鹿沼土は酸性を示し、赤玉土は通気性も良好という特徴があります。しかし、栄養成分はほとんど含まれていません。
次に、植物用土は通気性や排水性を改善してくれる効果があります。特に有機物が含まれている資材は、用土中の有用微生物を活性化し用土を肥沃にする効果も期待できます。
さらに、これらに加えて、調整用土と呼ばれる資材を1割程度追加することもよくあります。例えば、バーミキュライト、パーライト、軽石、ゼオライト、もみ殻燻炭、ヤシガラ活性炭などがこれに該当します。
調整用土は、植物用土の機能を補う目的で使用されます。例えば、バーミキュライトは通気性と保水性向上に使用されますし、もみ殻燻炭やゼオライトは、有害物質を吸着し根腐れ予防効果があるとされています。
自家配合ではこのような資材を、育てる植物に合わせて配合していくことになります。
市販の用土は可能な限り幅広い植物に対応できるように配合設計されていますが、厳密には植物は種類によって好む環境(水分量、pH等)が異なりますので、排水性をコントロールしたり、pHを調整したりして合わせこむのも一つの楽しみ方だと思います。
ここで配合の考え方の例ですが、ベース用土に黒土を使用するとします。黒土は保水性、保肥性に富む反面、通気性と排水性は悪いです。そこで、植物用土として、通気性の良好な腐葉土を配合しようと考えます。しかし腐葉土だけでは排水性がまだイマイチなので、調整用土としてパーライトをさらに配合して、すべてのバランスを調整します。
このように、足りない性能をパズルのように組み合わせて、自家配合を考えてみてください。
一度使った用土を再利用する方法
続いて、一度使った用土ですが、皆さんどうなさっていますか?畑に撒いたり、ごみとしてしてておられる方が多いのではないでしょうか?
一度使用した用土は、購入時点から栄養分が抜けていたり、pHが変化していたり、場合によってはカビが繁殖している可能性もあります。そう考えると、廃棄することが妥当だと思ってしまいますが、少し手間をかけてあげることで用土を再利用することができます!
ここでは再生方法を解説していきます。
まず、再利用方法として、①前作残さを利用する方法、②土壌消毒を行う方法の大きく分けて2通りがあります。
前作残さ利用法
①の前作残さを利用する方法は、収穫後、前作残さ(葉や茎、根など)を乾燥させた後、細かく切り刻んで用土に混ぜ込み、そこに化成肥料を数グラム追加します。
そうすることで、土壌中の有用微生物たちが活発に活動するようになり、残さ分解が促進されます。残さが分解されれば、そこに苦土石灰、たい肥を追加することで、再生用土の完成となります!
こちらの方法では、有用微生物を活性化することで、悪性微生物の減少を狙っていますが、殺菌したわけではないので、病気の発生懸念は残っています。
しかし、非常に手軽に行える用土再生方法となっています。
土壌殺菌法
続いてご紹介するのが、②土壌殺菌を行う方法です。
こちらは、前作収穫後、用土を2~3日間乾燥させた後、残さをすべて取り除きます。この時に”ふるい”を使って、配合していた軽石や細かい残さも丁寧に除去してください。
続いて、ふるいにかけた用土を消毒していきますが、今回消毒方法として一般的な2通りの方法をご紹介します。
1:太陽熱消毒
2:熱湯・蒸気消毒
太陽熱消毒
太陽熱消毒は、読んでそのままですが、太陽光によって消毒する方法になります。
具体的な手順としては、ふるいにかけた用土を、黒色のポリ袋に入れます。そこに、水を加えてしっかりと用土を湿らせたら、ポリ袋の口を縛って密封します。
そして、そのポリ袋を太陽光の良く当たる場所に置いておきます。こうすることで、ポリ袋内の温度が50℃程度まで上昇しますので、有害菌を殺菌することができます。
消毒に必要な期間は、夏であれば2週間程度、冬であれば1か月程度といわれています。
この太陽熱消毒を行う際のポイントですが、水分をしっかりと加えてください。水分を加えることで、熱が中心部までしっかりと伝わるようになりますので、効率的に消毒できるようになります。
熱湯・蒸気綜読
熱湯・蒸気消毒は、用土の量が少ない場合に有効な方法です。
具体的な方法としては、蒸し器で用土を30分ほど蒸すことで蒸気消毒が可能です。他には、フライパンで用土を加熱してやっても、消毒が可能です。
こちらの方法は、非常に短時間で処理が可能ですが、大量に用土がある場合、とても手間になることに加え、専用の蒸し器やフライパンを準備されることをお勧めしますので、用具も準備も手間になることがデメリットではあります。
では、土壌殺菌法の用土再生手順の解説に戻ります。
上記のような方法で消毒を完了したら、用土をしっかりと乾燥させた後、再生した用土と、少量の新しい赤玉土、植物用土として腐葉土、調整用土としてもみ殻燻炭などを加えて、再配合してやることで、再生用土の完成です!
まとめ
さて今回は、プランター栽培のマニアック層(笑)向けに用土の自家配合について解説してみました。
今回の内容をまとめますと以下のようになります。
- 用土に求めらる性能は「通気性」と「排水性」が必須。
- 用土の自家配合のポイントは、通気性、排水性、を調整する為、ベース用土:植物用土:調整用土=6:3:1を目安に配合する。
- 用土を再利用する際は、太陽熱消毒をしてから、再配合するのがオススメ!
ホームセンターに行けばすでに配合済みの用土がたくさん売られていますので、その配合比をお手本にしてオリジナル配合してみるのも面白いと思います。
配合なんてわからないよ。。。という方はもちろん市販されている配合済み用土をしてもらって何ら問題ありませんし、私もほとんど購入しています。
もし、もっとプランター菜園を奥深くまで楽しみたい!という方はチャレンジされてみてはいかがでしょうか?
最後まで読んでくださりありがとうございました。
のはら菜園 かーくん