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リレー栽培による「根こぶ病対策」を解説

みなさんこんにちは、のはら菜園のかーくんです。当菜園日記では、会社員をしながら、週末に栽培中無農薬&少量多品種栽培に挑戦している、のはら菜園の情報や、オススメ野菜・食べ方など、農に関連した話題を中心に紹介しています 。 (本記事はPRを含んでいます)

今回は、リレー栽培の解説記事第4弾になります。過去の第1弾第2弾第3弾、についてはリンクで飛べるようにしていますので、まだ読んでおられない方は読んでもらえると嬉しいです。

今回の記事は以下のような人にオススメです。
 ・根こぶ病に困っているが、できれば薬は使いたくない。
 ・コンパニオンプランツを活用してみたい。
 ・色々な種類の野菜を育ててみたい!
 このような方の参考になると思います。

それではよろしくお願いします。

リレー栽培とは?

まず初めにリレー栽培とは?からお話します。

リレー栽培をおおまかに説明すると、A野菜を栽培した後に、同じ場所(畝)を使って、違う野菜である、B野菜を栽培することを言います。

これを聞くと普通では?と思われると思いますが、その通り普通の事なんです!

では、なぜリレー栽培としてご紹介しているかというと、ある特定のA野菜を栽培した後に、特定のB野菜を栽培すると、前作のAの効果によって、病気が予防されたり、Bの成長が促進されたりすることがあるからです。

リレー栽培の組み合わせによって得られる効果は以下のようなものが知られています。
 ①病気予防効果
 ②成長促進効果
 ③害虫忌避効果

特に①や②の効果が多く報告されていますが、③の害虫忌避に関しては非常に限られた組み合わせ例において報告されています。

つまり、リレー栽培は病気を予防したり、野菜の成長を促進したりすることができる栽培技術なんだと理解してもらえれば、まずは良いかと思います。

リレー栽培による根こぶ病対策

ダイコン⇒アブラナ科野菜のリレー栽培

紹介するのは、ダイコンを栽培した後にキャベツなどのアブラナ科野菜を植えるリレー栽培です。

このリレー組み合わせでは、病気予防効果、具体的にはキャベツの根こぶ病発症確率を低減する事が期待できます。

なぜ、ダイコン⇒キャベツのリレー栽培で根こぶ病の発症を抑制することが出来るのかというと、ダイコンが根こぶ病菌のおとりとなって、土壌中の菌濃度を下げてくれるからになります。

具体的な効果発現メカニズムを解説していきます。

まず、根こぶ病はアブラナ科野菜特有の病気で、下の写真のように根にコブが出来てしまい、生育不良につながったり、キャベツや白菜の場合は結球不良の原因となります。

根こぶ病例
根こぶ病症例(日産化学株式会社HPより引用)

そんな根こぶ病は、土壌中のネコブカビというカビ菌が原因で、根が菌に感染することで発症します。

ネコブカビの厄介な特徴として、土壌中に休眠胞子という形で長期間(長いものでは10年以上)土壌中に存在し続けることが可能で、数年程度の輪作(植える場所をローテションする方法)では病気の発症を止めることが出来ない可能性があります。

通常の菌であれば、数年間ものあいだ寄生して増殖できない状況が続けば、徐々に菌の数が減るので、数年後に同じ野菜を植えたとしても病気が発症しなくなるのですが、ネコブカビは残り続けて菌の量が減らない為、発症してしまいます。

なぜダイコンを植えるのか?

では、ダイコンを植えるとどうなるのでしょうか?

上記しましたが、根こぶ病はアブラナ科の植物が感染する病気のため、ダイコン(アブラナ科)も感染してしまいます。

しかし、ダイコンはアブラナ科の植物なのに根こぶ病を発症しないという特徴を持っています。

どうゆう事かというと、ネコブカビの増殖過程は次のようになっています。

休眠胞子 ⇒ 目覚める ⇒ 感染①(根毛感染 )⇒ 感染②(皮層感染) ⇒ コブを形成 ⇒ コブ内で増殖 ⇒ 休眠胞子放出、、、続く

このように根こぶ病は2回の感染過程を経て発症することが知られています。

ダイコンは感染①(根毛感染)はしますが、感染②(皮層感染)は起こさない為、菌はコブを形成し増殖することが出来ません。

つまり、感染①は起こるので、菌はダイコンに取り込まれて土壌中の数が減りますが、増えることが出来ないので、どんどん菌が減っていくことになります。

このようにして、ダイコンを植えるとネコブカビの休眠胞子数が減る為、後作のアブラナ科野菜の根こぶ病発症を低減することが出来るようになります。

根こぶ病対策の為のおとり用ダイコン

根こぶ病対策としてダイコンを栽培する場合、食用の一般的なダイコンを植える方法で全く問題ありませんが、根が大きく成長しない葉ダイコンやおとり専用のダイコンを使用することもできます。

大きな面積で根こぶ病対策としてダイコンを植える際は、おとり専用ダイコンを栽培した後に緑肥として畑にすき込むのも一つの方法ではないでしょうか。

緑肥用ダイコンや葉ダイコンとしては以下のようなものが種苗メーカーより売られていますので、興味があれば見てみてください。

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番外編:どうしてもの時は農薬に頼る事も

長年の蓄積でネコブカビが大増殖してしまって、ダイコンをおとりとして栽培しても、やっぱり症状が出てしまう場合には思い切って農薬を使用して殺菌するのも一つと考えます。

農薬にも大きく分けてい2種類あり、菌を眠らせて起きなくする薬と、殺菌する薬があります。

どちらも一長一短があるかと思いますが、今回は原因菌を直接減らすことが出来る農薬を一つご紹介しておきます。

日産化学社から出ている殺菌剤「オラクル」です。

これは、休眠胞子から出てきた遊走子を殺菌することで、感染を防ぐもので、土壌中の菌密度を低下させることが出来るそうです。

もし興味があれば、リンクを貼り付けておくので確認してみてください。

まとめ

今回はアブラナ科野菜の宿敵とも言うべき根こぶ病対策についてお話してきました。

内容を復習すると、根こぶ病に感染はするが、発病はしないダイコンを植えることで、土壌中の菌密度を低下させ、後作のアブラナ科野菜を根こぶ病から守る方法をご紹介しました。

野菜の持つ力を上手に利用して、効率的な野菜栽培をする良い例ではないかと思います。

それにしても、ダイコンの根こぶ病耐性の高さは不思議ですね。なぜそのような耐性を獲得できたのか?同じような根菜のカブは根こぶ病を発症するので非常に興味深いです。

最近ではキャベツや白菜の品種改良が進んで、根こぶ病耐性を持つ品種も発売されていますので、併せて検討してみると良いと思います。

最後まで読んで下さりありがとうございました。

のはら菜園 かーくん

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